― 三つに括った格言 ―
前稿で、先人の十訓について紹介したが、世の中には「三つに括った」多くの先人の格言があるので、一部を紹介したい。
1.「やって見せ、褒めてならねば、人は動かず」
山本五十六の言葉で昭和年代ではよく使われたが、いまでもマネジメントの場で時々引用さる。同じような意味では、カーネギーの著 書『人を動かす』で紹介されている「批判も非難もせず、苦情も言わない」「率直で、誠実な評価を与える」「強い欲求を起こさせる」という原則がある。
2.「金を残すは三流、仕事を残すは二流、人を残すは一流」
後藤新平の言葉も良く使われる言葉である。これ別の表現で、「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上とする」というのもある。
3.「時を守り、場を清め、礼を正す」
森信三のよい職場を作るための三原則。時間を守り、5分前行動、職場の清掃・整理整頓、挨拶の励行が大切である。
4.「報連相」
仕事の三原則として、現場で良く使われるキーワードである。関連するものとして。「ABC;当たり前のことをバカにしないでちゃんとやる」がある。
5.「やめる、減らす、変える」
業務改善の三原則と言われている。その前に「3M」を実践し、「ムダ、ムリ、ムラ」を見つけて無くすよう指導されている。
6.「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ」
松下幸之助の格言の一つ。CSの本質をついた言葉である。類似の言葉に「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る」がある。
7.「品質は設計で作りこめ、そして工程で作りこめ,品質は検査により作られるものではない」
石川馨。検査に重点をおいた品質管理は,旧式な品質管理で、工程の管理が重要。全数検査しなくてよい管理が品質管理のあるべき姿。
8.「負ける戦いはしない。負けるだろうという戦いもしない。負けるかもしれないとか、苦戦するだろうという戦いは最初からしない」
孫正義。そのために用意周到な準備をする。そのための努力は欠かせない。
9.「世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめた時が失敗である」
稲盛和夫。今日の成果は過去の努力の結果であるが、未来の成果はこれからの努力で決まる。諦めずに一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねていくことで、夢を現実に変え、思いを成就させ、成功に繋がる。
10.「やってみなはれ。やらな、わからしまへんで」
鳥居信治郎。チャレンジすること、失敗から何かを学び、成功に結びつけるのが重要である。エジソンの言葉に「「「私は失敗したことがない、ただ、一万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」、「成功をつかむ最も確実な方法は、決して諦めないことだ」、「発明のためには、優れた想像力とがらくたの山が必要だ」がある。
11.「いかなるビジネスでも3W、つまり3つのWinを考えなければならない」
ジャック・マー。1つ目は顧客のWin。いかなることがあっても、まずは顧客にメリットがなければならない。2つ目は提携パートナーのメリット、3つ目は自分自身のメリット。3Wのうちどれか1つでも欠けたらビジネスは続かない。もちろん自分も顧客も一緒に成功できればベストであるが、どちらか一方を選ばなければならない場合は自らの利益は放棄して、顧客を先に成功させるべきである。
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