落合克弘
落合克弘

㈳技術知財経営支援センター 理事

他社の技術に目を配る方法としてはSDI(Selective Dissemination of Information)はたいへん有効です。
このSDIを継続していると、他社の経営戦略も見えてきます。SDIで競合企業を見ていると、あるとき継続的に特定分野に出願していることがあります。これより、この競合企業はその特定分野に経営資源を集中して積極的な活動をしていることが推定されます。そして、自社との彼我比較をして自社の活動を検討することができます。

SDIは、有償の特許検索データベースで調査したい対象を検索式で作成すると、新しい公開特許や登録特許を定期的(週1,2回)に配信してくれるものです。一般にはなじみの薄いものですが、継続して競合企業や業界動向の監視ができるので大変有効なものです。
有償の特許検索データベースをお持ちでない方は、独立行政法人工業所有権情報・研修館の特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」(ジェイプラットパット)を利用するのも良いでしょう。定期的にJ-PlatPatで検索して競合特許を調べると良いでしょう。この時に、過去調べたものを再び見なくても済むように、公開日を指定して、新しい公開特許公報や特許公報を調べるようにするのが良いでしょう。

企業の知財レベルを上げていくためには技術者の知財マインドを高めることが重要です。しかし、技術者の知財マインドを高めるのはなかなか難しいものです。技術者の知財マインドを高める私の取り組みは、このSDIの図付き一覧の各特許に私なりの一言抄録(30-50字)を記載して定期的に技術者に配信するものです。はたしてSDIの一覧を技術者の方が見てくれているかどうかは不明ですが、知財マインドが高くなってきている技術者からは、配信した一覧についての質問などが寄せられるようになりました。

また、そのように定期的に特許に関する情報を発信していると、開発途中の製品について、他社技術との比較調査の希望が寄せられるようにもなりました。総じて、知財マインドの低い技術者は多いですが、課内に知財マインドの高い技術者の方を育てることができると「それ事前に他社特許を調べた方が良くないか?」という意見交換もされるらしく、少しずつではありますが、相談は増えてきています。

まさに継続こそ力なりです。