ビジネスイノベーション
business innovation の英語の訳は、経営革新、事業革新である。これから分かる通り、ビジネスイノベーションは技術革新だけではない、プロダクト・イノベーション、プロセス・イノベーション、サービス・イノベーションを含む正にビジネスの新しい仕組み(モデル)
の創造である。しかし過度に「革新」という語句に拘束される必要はない。以前の稿で述べたように、イノベーションは、既知のものを結合して新しい価値を生み出すものである。改善の積み重ねによる連続的イノベーションから破壊的な非連続的イノベーションまで種々
あり、自社の状況にあったアプローチをして行けば良い。
要は、他社に対するビジネス上の優位性を構築し、顧客を獲得し、利益を生み出す事、出来れば長く継続することが重要である。
アメリカのヘンリー・フォードは自動車業界でイノベーションを起こしたことで有名であるが、彼は自動車を発明したわけでなく、技術革新をしたわけでもない。彼はすでに発明されていた自動車という商品を大量生産する方式と大量販売する仕組みを確立しコストを下げて、大幅な価格低下を実現して顧客を満足させる大衆車の市場を作り上げ、優位なビジネスでのモデルを造ったことが 彼がイノベータとして評価される理由である。ここに、ビジネスイノベーションを起こすヒントがあるのではないか。即ち新しい仕組みを作ることである。自社に合った Who-What-How-Why を見出し、構築することが重要となる。
ここで、ビジネスイノベーションを起こすためには、まず企業は自社の現状を把握しておくことが必要である。例えば、SWOT分析などにより、自社の強みや弱み、経営資源として何があるかなどを把握し、自社の強みを活かし他社に差別化するビジネスの新しい仕組
み(モデル)を構築できるかを検討することが必要である。
この時に、全てゼロからビジネスモデルを創造するのではなく、先人や関連分野、あるいは異分野でのビジネスモデルの事例を参考に、自社の経営資源を活かしたモデルを作り上げることが有益と思われる。
では、どんなビジネスモデルがあるのか? 自社が参考とするモデルはあるのか? 幸いなことに、ビジネスモデルを類型化した参考書籍がある。これを基に自社のビジネスモデルを検討し、Who-What-How-Why を明確にしてゆくことが良い。
参考文献1:ビジネスモデルの教科書;今枝昌宏、東洋経済新報社
参考文献2:ビジネスモデルの教科書;カデナクリエイト、池本正純監修、マイナビ
上記書籍から、参考になると思われるビジネスモデルの代表的な事例を紹介する。詳細内容は上記の書籍で確認して頂きたい。
ビジネスモデルイノベーションのタイプとしてどんなものがあるのかを見れば、「ビジネスモデルイノベーション」が身近にあると理解でき、自社のビジネスモデルを検討するうえで参考になる。ビジネスモデルには、モノづくり企業に向いたものやサービス企業に向いたもの、どちらにも適用できるものなどがあるが、どのように「Who-What-How-Why」を組み合わせたかを参考にして、自社に合ったビジネスモデル例を見付けて、自社の強みを活かしたものを構築するのが良い。
次稿で代表的なビジネスモデルを紹介する。
(次稿に続く) (MOTIP 新家)